ソーシャルレンディングの担保は信用してよいか
ソーシャルレンディングで案件に投資する場合、その案件に担保が存在するか否か確かめるのは重要なことです。
担保があれば貸し倒れが起こっても、担保の行使により土地建物を売却して、資金の回収を図ることができるからです。
しかし、もしも担保が信用できないとすると、このような目論見は意味を持たないことになります。
果たして、その点は大丈夫なのでしょうか。
これについて、現時点で最新の募集である、ラッキーバンクの第137号ローンファンドで具体的に考えてみます。
第137号ローンファンドは、東京都千代田区にあるオフィスバルクの買取・再販プロジェクトに投資する案件の一つです。
このプロジェクトには、全部で340,000,000円の貸付がラッキーバンクから行なわれますが、その金額の募集は8つの案件に分割されています。
第137号ローンファンドは、その内の一つ、第四時募集(45,000,000円分)にあたります。
プロジェクト全体では、370,000,000円分の担保が設定されているため、万一貸し倒れが起こっても貸し付けた資金の全額が回収できる計算です。
ところで、この担保の金額は何に基づいて算出されているのでしょうか。
これは「不動産調査評価額」に基づいています。
不動産調査評価額は、不動産鑑定士の調査によって出される金額で、それを示した不動産鑑定評価書は公的機関への提出が可能なほどの信用があるという話です。
不動産調査評価額は、綿密な調査に基づいて算出される金額ではあるものの、実際に売買される金額(実勢価格)とは必ずしも一致するわけではありません。
実勢価格は、買い手・売り手の個別的事情や景気等によって変化するので、不動産調査評価額とは異なる恐れがあります。
これは、株式が、アナリストの調査によって算出された株価よりも高い・低い金額で取引されるのと同様だと言えるでしょう。
景気の見通しが悪かったり、企業に悪いニュースが出たりしたときには、市場での評価が低くなりすぎてしまいがちです。(だからこそバリュー投資家は利益が出せるのですが。)
第137号ローンファンドについても、貸付額以上の金額で担保が設定されているとは言っても、貸し倒れが起こった場合、実際にその担保額が確保されるのかどうかは不明です。
しかし、かなり厳密な鑑定に基づいて算出されている金額ですから、あまりにもひどい暴落が起こっているなどしなければ、それほど多くの損害は被らないかもしれません。
また、代表取締役による個人保証があるという点も安心できる追加ポイントです。
したがって、完全な楽観視はできませんが、万一のことが起こらない限り、問題は起こらないのではないでしょうか。
投資前によく考えるなど、注意は当然必要ではあるでしょうが。
今回は↓のページを多く参考にしました。