評価損の考え方
ループイフダンというシステムトレードは、その性質上、評価損を抱えざるを得ません。
上昇相場で買い上がって行くときには評価損はほとんど発生しませんが、下降相場では買い下がって行く(ナンピン)ので、必ず評価損が出ます。
それを我慢して持ち続け、価格が戻ってきたときに売るからこそ利益が出ます。
したがって、このシステムは「価格が戻ってくる」ということが前提として必要です。
例えばドル円については、この10年のデータを見ると、時間はかかっても価格が戻ってきている場合が多いです。
2005年 安値:101.66 高値:121.36
2006年 安値:108.96 高値:119.86
2007年 安値:107.21 高値:124.11
2008年 安値:87.10 高値:111.95
2009年 安値:84.76 高値:101.43
2010年 安値:80.24 高値:94.98
2011年 安値:75.54 高値:85.52
2012年 安値:76.02 高値:86.78
2013年 安値:86.54 高値:105.41
2014年 安値:100.75 高値:121.85
2015年 安値:115.85 高値:125.85
100円を切っている年はあまりないのですが、100-120円の間ならば比較的多くの年で(この期間で言うと8年分)入っています。
ただし、持ち続けている間は資金が拘束されてしまうため、その間の運用ができなくなります。
例えば、2007年に124円で1000通貨のポジションを取ってしまった場合、次にそこまで戻ってくるのは2015年ですから、8年間は資金が拘束されることになります。
ポジション数が限界に達しているとしたら、その間何もすることができません。
そこで、限界に達している場合には、損切りして再スタートした方が良いのではないかという考えが出てきます。
ここで、翌年90円で損切りしたとします。
そうすると、この分の確定損失は34,000円です。
そこから新しくポジションを取り直して、7年間で34,000以上の確定利益が得られるならば、損切りして新しくポジションを取り直す方が利益になります。
データを見ると7年後には再び124円をつけ、34円分の上昇をしているわけですから、少なくともマイナスにはなりません。
ところで、ドル円は一気に上昇するわけではなく、下がることを繰り返しつつ上がるわけですから、実際には上昇する機会は34円分以上あります。
例えば、90円→100円と一気に上がるとすると10円分ですが、90円→98円→93円→100円と上がるとすると15円分は上昇しています。
このようなレンジ相場をうまく利用できれば、34,000円以上の利益確定が期待できます。
したがって、価格が戻ってくるとは言っても、あまりにも下がりすぎてしまった場合は、一度損切りを行ない、改めてポジションを取り直せるようにした方が総合的な利益は上がるかもしれません。